原発再稼働支持の論理

あいかわらず原発反対は多く、再稼働を支持を表明しにくい「空気」というやつを感じるので、ここはあえて、支持派の論理を述べたいと思う。

あの事故以来原発というものに不安を感じる人が多いのは知っている、決してリスクフリーでないことも知っている*1

ではなぜ再稼働すべきだと思うのか。
それは停止したままでは国益を害するからだ。原子力という電力の柱を失うことのリスクを考えると、原発のリスクを受け入れるしかないと思っている。エネルギーを輸入に頼っている以上、常に分散するしかない。かつて石油禁輸措置によって戦争に追い込まれたり、オイルショックで経済が混乱した歴史を思い出してほしい。
そして、電力不足や電力会社の経営悪化に伴う電気代値上げ、事故補償のための国庫負担などが、確実に日本経済を締め上げている
景気停滞も多くのリスクを生み出すだろう。

むろん今までの原発体制は間違っていた。東京電力と監督省庁、その仕組みを作った政府は責任を問われるべきだ。再発防止は掛け声ではだけ困る。もはや旧来の体制に国民の信頼を取り戻せないのは致し方ないことだ。フランスのように原発部門を国営化するなり、事故対処部隊をつくるなりしたほうが良いと思う。

残念ながら、再稼働支持が多数派になる見込みは薄い。国民にあまねく伝播した放射能への不安を払しょくすることは困難だからだ。僅かでもリスクがあるかぎり拒否反応を示すのが人間心理だ。

しかしながら、運転を停止していれば安全かというとそういうものでもない。やはり冷却し続けれなければいけないことには変わらない。大してリスクを軽減できないならば再稼働したした方がよいと私は思っている。*2

思えば原発事故がもたらした被害は、不安や恐怖そのものによって引き起こされたといえないだろうか。国内国外問わずである。おそらく今回の放射能漏洩亭程度の規模では放射能障害で死ぬ人はいないかごくわずかだろう。それよりも、放射能にたいする不安や恐怖そのものが、退避行動やパニックを引き起こしたように見える。もちろん放射能は新しく目に見えない脅威なのだから、そうなるのは無理もない。しかし、だからこそ科学的な知見と証拠にもとづく事実を重視しなければ冷静な判断はできない。

結論として、作ってしまった原発は再稼働していくべきだとおもっている。その上で、再稼働の利益受諾者に、対策について相応の負担を求めていけばいい。

追記1:子供の甲状腺がん発生率が上がっているかもしれないようだ。このリスクを認め、リスク管理として、安定ヨウ素剤などを手厚く配布して置くべきじゃないだろうか*3原発事故だけではなく、核戦争に対する備えとしても必要だ。費用はかかるが、安定ヨウ素剤程度なら経済対策になると前向きに考えるべきではないか。当然だが、健康被害への保障もしなければいけない。

追記2:ちなみに私が住んでる地域は富山県である。万一、志賀や美浜の原発が爆発したら放射能物質が飛んでくるかもしれない。私はそれでも様々なリスクを図りにかけて再稼動すべきだと思っている。

*1:昔から原発はリスクがあるのが当然だと思っていた。たいていのシュミレーションゲームでは原発メルトダウンのイベントがお約束として盛り込まれている

*2:言い過ぎたので撤回しました

*3:原発周辺だけじゃなく、全国に配置薬として配布するぐらいで